講演会(アンテリアールガイダンス)
石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医インプラント認証医、たけのうち歯科クリニックの 竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。
昨日は診療を少し早めに切り上げ、所属しているスターディーグループの講演会に参加してきました。
開始が13時からだったので、12時に診療が終わった後は急いで電車に飛び乗り、何とか間に合いました。
今回の演者は、藤本研修会主宰の藤本順平先生。歯科医師であれば知らない人はいない補綴学の権威。
この先生の著書 「クラウンブリッジの臨床」は、大学の図書館でよく読んで、コピーもかなりしました。
先生の著書は世界で出版され、アメリカなどでは大学講義でも用いられているそうです。
講演のテーマは、「補綴長期 Follow up 症例に学ぶ事 ~アンテリア―ルガイダンスの重要性~ 」 です。
アンテリアールガイダンスとは、下顎の運動方向を決定づける、上顎前歯舌面と下顎前歯切端との接触のことを言います。
このガイダンスにより、下顎の運動がスムーズに行われ、・臼歯の保護や補綴物の保護だけでなく、顎関節や神経筋機構の働きも正常に保たれると言われています。
講演の中で、先生は興味深い論文を紹介されました。
高齢者で平均25本(通常28本)の歯が残存している方の口腔内を調べると、開咬や反対咬合、切端咬合は皆無で、すべての人にディスクルージョンが成立していたという論文です。
一般の方には難しい言葉ですのでわかりやすく言うと、高齢になっても多くの歯が残っている方に、噛み合わせの悪い方はいなかったということです。
噛み合わせの不良は、・歯の破折や摩耗 ・補綴物の破壊 ・歯周組織の破壊 ・顎関節症 ・審美障害などを招き、それらが原因で抜歯に至ることもあります。
つまり、噛み合わせが良好であればそれらのリスクを減らす事ができ、結果的に歯の保存に繋がるわけです。
先生は、20年30年という長期症例を提示され、実際の臨床を通してアンテリアールガイダンス・咬合の重要性を伝えておられました。
一つ一つの治療をしっかり行い適切な咬合の付与を行うことで、はじめて長期に亘って歯が機能することを改めて実感しました。
自分のクリニックに来院された患者さんの歯を長く維持するためにも、アンテリアールガイダンスは重要です。
今回の講演会で学んだことを今後の臨床に活かしていきたいと思います。
カテゴリー:学会・講習会 投稿日:2011年8月29日