前歯の噛み合わせ

石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医インプラント認証医、たけのうち歯科クリニックの　竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。

前歯の補綴治療（クラウンなどで歯の欠損を補う）において、大事なことがあります。

もちろん前歯ですので、歯の形態や色などの見た目に関することは大事ですが、噛み合わせもとても重要になります。

人が咀嚼する時の下顎の運動は、後方にある左右の顎関節と前方にある上下前歯の接触滑走によりガイドされています。

この上顎前歯の舌面（裏側）と下顎前歯切端（先端）との接触滑走のことをアンテリアガイダンスといいます。

前歯は、食物を直接咀嚼する役目よりも、食物の硬さや性状を知り、臼歯部（奥歯）の力をコントロールするためにあり、

適正なアンテリアガイダンスに導かれた臼歯は、咀嚼効率がよく、摩耗も少なく、運動域の小さい垂直的なストロークになると言われています。

わかりやすく言うと、よく噛めて、奥歯に無理な力がかからないということです。

前歯の補綴治療を行う場合には、このアンテリアガイダンスを術者の判断によって与える必要があります。

下の写真の患者さんは、上の両側前歯にクラウンが装着されておりました。

クラウンの根元が黒くなっているのが気になるらしく、根の病気も併発していましたので、クラウンを補綴し治すことになりました。

まずは仮歯を作製し根管治療を行います。

仮歯で歯の形態や噛み合わせ（アンテリアガイダンス）などは確認していきます。

すべての治療が終わり、クラウンの型取りや色見本を使用してのチェックです。

写真は、作製されたクラウン装着後です。

術前と比較して、左右の歯肉のラインも整っています。

ここで大事になるのが、アンテリアガイダンス。

下の写真はクラウンを裏側から見たところですが、下顎の前歯先端が滑走した部分が赤い線となって印記されています。

患者さんには見えない部分ですが、この接触滑走（アンテリアガイダンス）が噛み合わせにはとても重要なんです。

装着する時に、患者さんに赤や青色の紙を噛んでもらったり顎を動かしたりしてもらうのは、これらをチェックしているんですよ。