歯周病と認知症に関する報告
石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医インプラント認証医、たけのうち歯科クリニックの竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。
歯周病と心内膜炎、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、肺炎、低体重児出産、早産、糖尿病の重篤化といった、歯周病が全身疾患に影響を及ぼしているという概念 ”ぺリオドンタルメディシン” に関連するニュースが先日ありました。
名古屋市立大大学院の道川教授(生化学)らの研究チームが、歯周病が認知症の一種、アルツハイマー病を悪化させることをマウスの実験で明らかにしたそうです。
研究では、人工的にアルツハイマー病に罹患させたマウスを用意し、2グループに分けて、一方だけを歯周病に感染。
これらのマウスを箱に入れて球や三角錐の物体を2つ見せた後、うち1つを置き換えて反応を調べると、歯周病のないマウスは新しく置いた物体へ頻繁に近づくが、歯周病を併発したマウスは反応が変わらなかったとのこと。
教授によると、認知機能が低下し、最初に見た物体の形を忘れているため、新しい物体に興味を示さなかったということです。
実験後にマウスの脳を調べると、歯周病菌に感染してからの約4カ月間で、記憶をつかさどる海馬にアルツハイマー病の原因となるタンパク質が沈着し、歯周病のマウスの方が面積で約2.5倍、量で約1.5倍に増加していたそうです。
「歯周病の治療で、認知症の予防もしくは進行を遅らせる可能性が出てきた」としています。
今回、歯周病とアルツハイマーとの関連性を指摘する研究報告がなされ、歯周病治療の有効性がさらに広がりそうです。
歯周病は「沈黙の病気」とも言われ、歯周病の進行に気付いていない方も多くいらっしゃいます。
このようなニュースを聞いて、
患者さんがいつまでも健康で幸せな生活を送れるよう、様々な全身疾患への関連性が指摘されている歯周病をしっかり治療・予防していくことが、歯周病専門医としての存在意義だとあらためて感じました。
カテゴリー:歯科医療 投稿日:2013年6月26日