歯内療法(根管治療)の研修会に
石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医インプラント認証医、たけのうち歯科クリニックの竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。
土曜日は私だけお休みをいただき、歯内療法(根管治療)の研修会に参加してきました。
なんと会場は、10月9日のブログで、母校の大学病院の近くにできたので一度行ってみたいと紹介した、御茶ノ水ソラシティーでした。
前日まで会場案内を見ていなかったので、知った時は驚きました。
講師の先生は、ペンシルバニア大学歯内療法科に留学し、現在は自費で根管治療のみを専門に行うクリニックを開業されている、石井宏先生です。
根管治療とは、むし歯が進行して神経が炎症を起こした際に神経を除去する”抜髄”や
以前神経を除去したが、再び感染して炎症を起こした際に根管内をきれいにする”感染根管処置”のことをいいます。
歯肉が腫れた、歯がグラグラする、歯が痛くて噛めないなどといった症状の多くは、歯周病であったり、この歯内(根管)に原因があることが多いので、日常臨床の中で行う頻度が高い治療になります。
ですから、科学的根拠に基づいた知識や技術を有し、適切な根管治療を行うことはとても大事です。
きれいなクラウンやブリッジを装着しても、根管や歯周組織の状態が悪ければ長くは維持できませんからね。
しかしながら、こんなに医療の発展した日本において、一般的な根管治療の成功率は世界と比べて低いのが現状です。
その原因の一つは、日本の保険の根管治療に対する評価の低さが挙げられます。
こういう事はあまり言いたくないのですが、
仮に海外で一本の歯の根管治療を受けた場合、アメリカでは約15万、イギリスで約10万、フィリピンやマレーシアでさえ4万~6万円ぐらいかかります。
一方、日本では約5000円です。
9月に都内で開かれた日本歯科医師会の会合で安倍首相が挨拶した際に、4月で訪露した際に歯が痛み、これでは大事な会談はできないと現地で歯科医の治療を受けたら、後に高額の請求書が届いたということで、日本の皆保険はすばらしいという話しをしたそうです。
私自身も、国民全員が平等に医療を受けられる日本の皆保険はとても素晴らしい制度だと思います。
しかしながら、治療にかかる材料や器具の費用、時間、人件費などを考えると、保険における根管治療の評価は低すぎます。
治療をしたことない人達が決めているので仕方がありませんが・・・
多くの先生が、患者さんのために丁寧に時間をかけてやりたいけど・・・と思っています。
自費で根管治療をやる先生が増えているのも、そういった背景があるのです。
少し研修会の話から逸れてしまいましたが、
石井先生の話を聞いて、根管治療におけるエビデンス(科学的根拠)がとても勉強になったのと同時に、これからの根管治療について色々と考えさせられました。
明日は本来なら研修会の2日目ですが、歯科医師会公衆衛生委員の仕事で、第36回練馬祭り 健康フェスティバルのお手伝いに行ってきます。
研修会は次回のコースでまた参加させていただくことになったので一安心。
患者さんにとって、私達にとって、少しでもいい治療が提供できるよう、できるところから変えていきたいと思います。
カテゴリー:学会・講習会 投稿日:2013年10月19日