「発症させない医療への転換」講演会に参加
石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医 インプラント認証医、医)竹和会 たけのうち歯科クリニックの竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。
本日は診療を1時間程早く終了させていただき、スタッフと日本大学歯学部同窓会生涯研修の講演会に参加してきました。
3DS(Dental Drug Delivery System)の開発者でもある鶴見大学歯学部の花田教授と武内臨床教授による、
「発症を待ち受ける医療から、発症させない医療への転換」 というテーマの講演でした。
先生方の言葉を少し紹介すると、
医療には対症療法と原因療法があり、「発症を待ち受ける医療」は対症療法であり、病気そのものを治す医療ではありません。
対症療法を続けても原因を除去しないので治癒せず、患者さんは生涯に亘って服用を続けます。
生活習慣病に対する内科治療の多くは対症療法であり、血圧降下薬、血糖降下薬、高脂血症薬、抗リウマチ薬は、病気そのものを治療する薬ではないということです。
これに対して、「発症させない医療」は原因療法であり、病気そのももの治癒を目指す医療です。
感染症であれば、発症原因である病原体が増殖しないような環境を作ることが重要であり、非感染症(生活習慣病)であれば、厚生労働省が生活習慣病対策(健康日本21)で示した、「栄養・運動・休養・歯の健康」で予防していくということです。
口腔内に古いプラークが蓄積し歯周組織に炎症が起きている状態(歯周病)や根の先端周囲に炎症が起きている状態(根尖性歯周炎)では、血液中に炎症性の物質や関連細菌が多く存在します。
これらが、全身の血管の健康、各臓器の健康や疾病と深く関係していることは多くの研究で証明されております。
また、歯が欠損していたり、義歯等がしっかり使用できていないと、柔らかい炭水化物中心の食生活になり、体に必要な栄養素が十分に摂取できていないということもわかっています。
先生方の講演を聞いて、
生活習慣病を予防するためには、
・正しい食生活とそれを可能にするための歯科医療
・悪性度の高い細菌や慢性炎症(歯周病や根の病気)を取り除くための歯科医療
がとても重要であり、
発症させない医療の実現のために歯科医療が担う役割は大変大きいことがわかりました。
今日、医科の分野においても、口腔から全身への影響が注目されつつあるということです。
歯科医療従事者として、口腔の健康は全身への健康に繋がることをもっと患者さんに伝えていかなくてはと痛感しました。
これからの歯科医療のあり方を見た気がします。
カテゴリー:学会・講習会 ,歯科医療 投稿日:2014年6月15日