日本の根管治療について
石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医/指導医、インプラント専修医、医)竹和会 たけのうち歯科クリニックの竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。
日曜日の診療後、根管治療(根の治療)の講習会に参加してきました。
今回講演を行った先生は、都内で自費の根管治療を専門に行っている方です。
根管治療は、むし歯などが原因で歯の神経に炎症が起こった時や根の中に細菌が感染して根の先に炎症が起こった時に行うだけでなく、
歯根破折といって歯に亀裂が入ってしまった時やむし歯や治療などによって歯根の一部に穿孔(穴が開く)が生じてしまった時にも行います。
歯科治療の中でも、行う頻度が高い治療です。
根管治療は、マイクロスコープなどを使用しなければ、通常は目で見えない所を治療していくので、時間がかかることもありますし、治療が大変なこともあります。
歯を長く保存する上でとても重要な治療の一つなので、海外では根管治療の評価がとても高く、アメリカでは1本の歯の根管治療に約10万円ぐらいかかりますし、フィリピンやマレーシアでも約5万円かかります。
しかしながら、日本の保険診療の中において根管治療の評価はとても低く、このような事はあまり言いたくありませんが、一生懸命やって時間をかければかけるほど医院の負担は大きくなります。
悲しいことですが、日本の根管治療の成績が欧米と比べてとても低いのは、このようなことも関係しているかもしれません。
今日、根管治療を保険ではなく自費で行う先生が増えてきたのは、根管治療の成功率を高めるためにこだわって治療をする上では仕方がないのかなと思います。
しかしながら、すべての患者さんが費用を負担できるわけではありません。
保険とか自費とか考えずに、患者さんの病気を治すことだけに医師が力を注げるようになればといつも思っています。
医療費問題などもあって難しいのだと思いますが、日本の保険制度において、根管治療が正当な評価を受ける日が来ることを望みます。
カテゴリー:学会・講習会 投稿日:2015年4月28日