深い歯周ポケット
石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医/指導医、インプラント専修医、医)竹和会 たけのうち歯科クリニックの竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。
クリーニングをしても歯肉の腫れやポケットが治らないといって来院される方がいらっしゃいますが、歯と歯肉の隙間にあるポケットが深いからといって、必ずしも歯周病が原因であるとは限りません。根の病気(根尖病巣)が原因であることもあります。
ご家族の紹介でいらした方ですが、エックス線写真により、右下の奥歯(クラウンが装着してある中央の歯)の根周囲に病変(透過像)が認められました。
ポケットを測定すると、根分岐部に10mm以上のポケットが形成されています。
ここで、このポケットが歯周病によるものであれば、根面のクリーニングを行いますが、根管内の感染によるものであれば、まずは根管治療を行っていく必要があります。
下の写真は、根管治療が終わり数ヵ月経過した状態です。
初診時のエックス線写真に認められた歯根周囲の病変(透過像)は大分改善しており、10mm以上あった根分岐部のポケットも3mmになりました。
つまり、このポケットは根の病気が原因で形成されていたということです。
左下の奥歯にも根尖病巣が認められ、こちらはポケットの形成はありませんでしたが、CT画像上で、病巣がある近心根に破折したファイルが残存していることが疑われました。
そこで、マイクロスコープを使用して根管治療を進めていくと、写真のように2本の破折したファイルを除去することができました。
根管充填を行い、後方歯の欠損部にはインプラントを埋入しておりますが、治療前のCT画像上で認められた根尖部の病変は改善しています。
歯周病治療も根管治療も、家作りで言えば、基礎工事のようなものです。
どんなに大きくて立派な家を建てようとしても、基礎がしっかりしていなければ、安心して長く住むことはできません。
ですので、歯の治療もしっかりした診断と治療計画を立て、丁寧な処置を積み重ねていくことが大切だと思います。
カテゴリー:根管治療 投稿日:2017年6月17日