インプラント治療における骨造成
石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医/指導医、インプラント専修医、医)竹和会 たけのうち歯科クリニックの竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。
今月はインプラントの埋入手術や関連する手術が多かったので、骨造成について少し紹介したいと思います。
インプラント周囲には健康な骨(歯槽骨)が不可欠であり、インプラントを埋入する際に既存の骨が十分にない場合は、骨造成を行うことでインプラント埋入が可能となります。
骨造成術には、水平的骨造成、垂直的骨造成、ソケットリフト、サイナスリフトなどがあり、インプラント埋入時に併せて行う骨造成を「同時法」、はじめに骨を作って、後にインプラントを埋入する骨造成を「段階法」といいます。
今回は、下の図のような骨補填材とメンブレンを用いた骨造成術(GBR法)について紹介します。
まずは同時法で行った臨床例です。
下の写真は、インプラントを埋入したところですが、頬側(外側)の骨が薄いために、インプラントの一部が露出している状態です。
そこで、水平的な骨造成を行うために、人工骨を必要な部分に置き、その上に写真のようにコラーゲンメンブレンを設置し、骨が増生するスペースを確保します。
その後、メンブレンが露出しないように、歯肉に減張切開を行いテンションフリーの状態で縫合します。
これにより、骨の水平的な増生を得ることができます。
2つめの臨床例は、インプラントを埋入するには、水平的にも垂直的にも骨を増生する必要があるケースです。
こちらのケースでは、段階法を選択し、人工骨とチタンメッシュ・コラーゲンメンブレンを用いた骨造成を行いました。
チタンメッシュを用いることで、骨増生のためのスペースをより確実に保つことができるため、大きな骨の欠損がある時には使用することが多いです。
その後、チタンメッシュの上にコラーゲンメンブレンを被せ、歯肉弁が裂開しないようにテンションフリーで縫合閉鎖します。
こちらは段階法で行っておりますので、骨が増生されるのを待ってから、インプラントを埋入していきます。
このように、GBR法を併用することにより、インプラント治療の適応症を広げることができ、患者さんの様々な希望に応えることが可能になります。
カテゴリー:治療例 ,インプラント治療 投稿日:2018年5月27日