誤ったプラークコントール
石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医・歯周病指導医、インプラント専修医、医療法人社団 竹和会 たけのうち歯科クリニックの竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。
歯周病専門医がいるクリニックということで、下がってしまった歯肉(歯肉退縮)を気にされて来院される方がいらっしゃいますが、その歯肉退縮の原因の一つとして、誤ったプラークコントロール(ブラッシングや歯間ブラシによる歯垢除去)があります。
写真の方は、上の奥歯にクラウンが装着されておりますが、その部分の歯肉がかなり退縮し、歯肉の辺縁の形態が不良です。
問診をしてみると、歯肉に違和感があったので、いつもゴシゴシと力をいれてブラッシングしていたとのことでした。とても口腔内に対して意識の高い方でしたので、逆にそれがあだになってしまったと思います。
プラークコントロールの仕方を改善したところ、歯肉の違和感も無くなり、歯肉の形態も改善していきました。
初診時から3年経過しましたが、下の写真のように安定した状態を保っています。
下の写真の方は、下の歯の間の歯肉が痛いということで来院されましたが、原因は、歯周病を治したいという強い気持ちから、誤った歯間ブラシの使用をしていたことでした。
どのように使用していたかというと、歯間ブラシを出し入れする際に、歯肉に強く擦り付けるように動かしてしまっていたのです。
そのため、歯肉の表面が擦りむいたように赤くただれており、形も凹んでしまったおりました。
そこで、歯と歯の間の歯肉の形が少しでも回復するように歯間ブラシの使用を停止し、フロスでのプラークコントロールを指導しました。
すると、2週間程で下の写真のように、赤くなっていた部分の歯肉は綺麗になり、凹んでいた歯肉の形態も回復しました。
最後の方は、元々、歯根と歯根の間(根分岐部)に深いポケットがあったそうですが、少し前に他院で歯肉を切開剥離する処置を受け、その後、残存したポケットに対して垂直的に歯間ブラシを挿入していたために、根分岐部が大きく露出してしまっている状態で来院されました。
強い痛みを伴うのにもかかわらず、歯間ブラシの先端をポケットに挿入して、ゴシゴシと磨いていたそうです。
このような状態になると、歯の凹凸が強く、歯肉の位置も他と違うために、よりプラークコントロールが難しくなり、メインテナンスもしづらくなります。
多少のポケットがあったとしても、歯肉の退縮を起こさない方が、かえって歯や歯肉を維持しやすいということもありますので注意していただきたいと思います。
道具は適切に使用しなければ、その効果を発揮することができません。
口腔内のケアは常に欠かすことができませんので、しっかりしたプラークコントロールの指導(ブラッシング指導)を歯科医院で受けるようにしましょう!
カテゴリー:歯周病治療 ,治療例 投稿日:2019年4月21日