審美的な修復補綴治療における歯科技工士の役割
石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医/指導医、インプラント専修医、医)竹和会 たけのうち歯科クリニックの竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。
歯科治療において、歯科衛生士や歯科助手の力が欠かせないことは言うまでもありませんが、患者さんが直接会うことの少ない歯科技工士の力も大変重要になります。
歯科医師が型取りをした後、それに合わせて、患者さんや私達のニーズを考慮しながら精度の高い被せ物(クラウン)などを作るのが歯科技工士です。
家を建てる際、設計や基礎工事がしっかりしていても、内装や外壁が綺麗で正確でなければ、残念なものになってしまいますよね。
ですから、患者さんが審美的な修復補綴治療を望まれた場合は特に、歯科技工士の技術や表現する力が重要になります。
下の患者さんは、上顎前歯に連結されたクラウンが装着されておりますが、両方の歯の歯根先端に病変があり、膿の出る穴(サイナストラクト)が歯肉に認められました。
まずはクラウンを除去し、根管治療を行いましたが、経過が思わしくなかったので、一度歯を抜歯し、口腔外で根尖部の切除および根管充填を行い、再植を行いました。
歯根が短く、かみ合わせの力の影響を受けやすいですが、2本の歯をクラウンで連結することで対処できると判断致しました。
下の写真は再植直後です。
その後、他の部位の治療を行いながら経過を観察し、根尖部の病変の改善が確認できたので、クラウンを作製することになりました。
クラウンが綺麗に装着できるよう、歯科医師が歯の形成と型取りをして、それからが歯科技工士の仕事です。
新たに提携先に加わった歯科技工士さんによるジルコニアセラミッククラウン。
色調もさることながら、連結されている感じがわかりにくく、歯肉の形が調和するよう配慮して作製されています。
人工物ではありますが、血が通っているようなクラウンであり、天然歯が存在しているようです。
歯の健康を取り戻すためにこれまで行ってきた治療が、最終的にこのようなクラウンが入ることですべて報われ、患者さんも私も感激しました。
歯科医師・歯科衛生士・歯科助手そして歯科技工士、それぞれの力を結集することでえられる効果は絶大です。
※ 再植は、抜歯時に歯が割れてしまったり、歯根膜損傷による歯根吸収を起こしたりするリスクがありますので、術前の診査診断が大切になります。すべての歯に適応できるわけではありません。
ジルコニアセラミッククラウンの費用は1歯につき154,000円(税込)になります。