歯の移植
石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医/指導医、インプラント専修医、医)竹和会 たけのうち歯科クリニックの竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。
歯を失った部位の機能を回復する治療には、一般的にインプラント・ブリッジ・入れ歯がありますが、歯の移植も検討すべき選択肢の1つです。
歯の移植をするには、親知らず(智歯)や過剰歯、抜歯しても影響ない歯があることが前提になりますし、移植する場所に移植歯の形が合うかということも重要になりますので、インプラントやブリッジ等に比べて適応範囲は狭くなりますが、条件が合致すれば、天然の歯を無駄にすることなく新たな場所で活かすことのできる有用な治療法です。
写真の方は、奥から2番目の歯(第2大臼歯)の歯周病がかなり進行してしまい、歯がグラグラして、痛くて噛めないということで来院されました。
可能な限り歯の保存に努めますが、重度の根分岐部病変も認められ、歯周病治療を行っても改善は困難と判断し、抜歯をすることを提案させていただきました。
そして、抜歯後の機能回復のため、患者さんと様々な治療方法を検討し、今回は後方の親知らずを抜歯と同時に移植することになりました。
予後不良歯を抜歯し、移植する親知らずが設置できるよう、抜歯窩(抜歯した穴)の形を整えます。
移植歯の形と設置位置を色々考えながら、抜歯窩周囲の骨を削っていきます。
そして、下の写真のように、抜歯した親知らずを移植し、安静を図るため手前の歯と固定しました。
移植後3〜4週で、根完成歯の場合には根管治療を始めます。
何もしないでいると、失活した歯髄(歯の神経)が原因で、歯根吸収を起こしてしまうからです。
根管治療後は、噛み合わせを合わせたり、歯の破折リスクを考慮して、クラウンを装着することがあります。
今回は、根管治療後、ジルコニアクラウンを装着しました。写真は、治療が終了したところです。
噛み合わせが強い方なので、定期的にメインテナンスを行い、咬合状態や歯周組織の炎症にも注意していきます。
1番奥の歯(第二大臼歯)を失った場合、インプラントが最適応になることが多いですが、歯の移植ができれば、もう一度自分の歯で噛めるようになります。
親知らずを抜歯する前に、将来歯を失う可能性の部位があるかどうかを考えるのも必要かもしれませんね。
カテゴリー:治療例 ,歯の移植 投稿日:2024年3月20日