歯周病学会 講演「歯科衛生士のための骨免疫学」を聞いて
石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医/指導医、インプラント専修医、医)竹和会 たけのうち歯科クリニックの竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。
当院では、月に一度ですが、木曜午後の診療時間1時間を院内勉強会の時間に充てております。
内容は、症例検討会・実習・研修会の報告・業者さんによる説明会など様々ですが、今回は、第67回日本歯周病学会学術大会の歯科衛生士教育講演を、院内のスクリーンに映して皆で視聴しました。
講演内容は、昭和大学歯学部口腔生化学講座の先生による「歯科衛生士のための骨免疫学」です。
私達の体には約200個の骨があり、人体のかたちを作っていますが、その役割には、体を動かす・臓器を守る・ミネラルを貯蔵する・血液を造ることもあります。
そして骨は、生きているかぎり、骨を作って老朽化した骨を壊すという再構築(リモデリング)が行われています。
講演では、このリモデリングに関わっている骨芽細胞と破骨細胞に焦点を当てて詳しく説明してくださいました。
私達が日々治療に取り組んでいる歯周病は、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶ける病気ですが、これにも破骨細胞が関連しています。
その破骨細胞を形成・活性化するのが、細菌因子とメカニカルストレスです。
ですから、歯科医師や歯科衛生士が、歯面に付着したプラークや歯石をしっかり除去したり、噛み合わせの調整や習癖のコントロールをしたりするのは、この破骨細胞が過剰に働かないようにするためといってもいいですね。
講演の中では、ポケット内を綺麗にすると、炎症を抑えかつ破骨細胞の分化を阻害するDEL-1というタンパク質の濃度が上昇し、結果的に骨形成が促進されるというメカニズムも紹介されました。
歯周組織という局所で、様々な現象が起きていると思うと、本当に奥深いですね。
そして、私達が普段行っている治療は、このような基礎研究の基に成り立っていることを改めて感じました。
基礎研究の話は難しいですが、とてもわかりやすい内容になっており、歯科衛生士達にも勉強になったと思います。
骨を守るため、頑張っていきたいと思います。
カテゴリー:院内の出来事 投稿日:2024年11月23日