リスク検査
むし歯ができやすい方、歯周病になりやすい方がいらっしゃいます。日々の歯磨きや定期的なメインテナンスは勿論大切ですが、ご自分が「病気になりやすいかどうか」「なぜ病気になりやすいのか」ということを知っておくと、事前に対策を講じることができ、むし歯や歯周病の発症をより確実に防ぐことができます。
唾液検査
唾液には、①潤滑作用(咀嚼・嚥下・発音をしやすくする)、②粘膜保護作用、③抗菌作用、④洗浄作用、⑤緩衝作用(口腔内を中性に保って歯が溶けるのを防ぐ)など様々な作用があります。
ですから、唾液の量が少なかったり、緩衝能が低かったり、口腔内にむし歯関連菌が多い場合には、むし歯ができやすい状態になります。
当院では、WHOの疫学調査でも使用されている“デントカルト”という唾液検査キットを使用して患者さんの唾液やプラークを調べることで、その患者さんのむし歯リスクを判定し、そのリスクに対して適切なアプローチを行い、治療成績の向上や確実な予防ができるよう取り組んでおります。
検査方法
検査は短時間で痛みもありません。
- 患者さんにガムを噛んでいただき唾液を採取
- 唾液分泌量・緩衝能(唾液の中和力)の測定
- ミュータンス菌・ラクトバシラス菌の培養・測定
- 検査結果およびリスクコントロールについて患者さんに説明
検査結果の報告
検査結果はカリオグラムとレーダーチャートに記入してお渡し致します。また、リスクに対する対応方法についてもご説明致します。
カリオグラム
レーダーチャート
歯周病関連菌の検査
歯周病に関連が強いとされるP.g菌(Porphyromonas gingivalis)、T.f菌(Tannerella forsythia)、T.d菌(Treponema denticola)の3種菌を「Red Complex(レッド・コンプレックス)」と言います。
これらの細菌は、重度に進行した歯周病や進行の早い侵襲性歯周炎の患者さんから多く検出されます。もし、このような細菌が口腔内に多く存在していると、通常の歯周病治療では効果が上がりにくいことがあります。
歯肉溝滲出液や唾液を用いた細菌検査を行うことで歯周病関連菌を調べ、必要に応じて、通常の治療に加えて抗生物質を使用した抗菌療法を行います。
細菌検査表
各細菌数や総細菌数に対する比率が詳細にわかります。治療後に再度検査を行うことで、治療の効果を判断することができます。