たけのうち歯科クリニックの衛生管理
はじめに
歯科治療では、抜歯・歯周外科・インプラントなどの外科処置以外にも出血を伴うことがあります。その際、使用した器具には血液が付着しますので、使用後の器具洗浄・消毒・滅菌の工程を適切に行わないと、汚染された器具を他の患者さんに使用することになってしまい、交叉感染(院内感染)を引き起こしてしまうかもしれません。
当院では、患者さんに安心・安全な医療を提供するため衛生管理に努めています。
衛生管理の流れ
当院で使用する器具は、このような消毒・滅菌を行っております。
1.使用した器具を水洗・洗浄します。
治療で使用した器具を水洗い、洗浄します。
2.消毒液に浸漬し、超音波洗浄器にて洗浄します。
超音波洗浄器は、通常の洗浄では落としきれない細かい汚れを取るために使用します。器具を消毒液の中に入れ、超音波洗浄器にかけることで、洗浄・消毒効果が高まります。
3.すすぎ洗いをします。
超音波洗浄をした後の薬液を完全に洗い流し乾燥します。
4.滅菌パックに入れます。
すすぎ洗いした器具は、滅菌パックに封入します。
5.オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)にて滅菌処理をします。
当院では、滅菌クオリティー最高レベルのクラスB滅菌器を導入しております。 オートクレーブは、ヨーロッパ規格 EN13060 において、クラスB・クラスS・クラスNに分類されますが、日本で一般的に使用されているオートクレーブのレベルは“クラスN”です。このクラスは、蒸気と空気の重量の違いを利用して空気除去を行い、その後に蒸気による滅菌をする“重力置換式”で、用途や被滅菌物の種類には限りがあると言われています。
一方、“クラスB”は、滅菌前や乾燥時に数回の真空状態を作り出し、蒸気を隅々まで行き渡らせる“プレポストバキューム方式”で、あらゆる種類・形状の被滅菌物を滅菌できるという性能があります。滅菌クオリティーが高いことから、感染予防先進国のヨーロッパでは導入が当たり前になっていますが、日本での導入率は5%以下とまだまだ少ないのが現状です。
6.使用するまで滅菌パックまたは殺菌灯の中で保管し、衛生状態を保ちます。
※歯を削る器械(タービン等)も使用ごとに滅菌しております。
タービン等の使用後は、外部の消毒と専用の器械による内部洗浄を十分に行った後に、滅菌パックに入れ、高圧蒸気滅菌器にて滅菌しております。
その他の取り組み
その他にも以下のような取り組みを行っております。
- 患者さんが使用するコップや患者さんにかけるエプロンはディスポーザブル。
- 術者が使用するグローブは患者さん毎に交換。
- インプラントや歯周外科の際には、滅菌ガウン・滅菌グローブの着用。
- 治療時に出る細かい粉塵や臭いを吸引する口腔外バキュームの導入。
- 院内の各エリアに空気清浄機を設置。
おわりに
たけのうち歯科クリニックでは、当院の診療理念の一つでもある“クリーンで快適な診療を行う”を追求するため、今後とも衛生管理を徹底し、患者さんに有益な医療機器の充実を図っていきます。